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『だまされることは、だいたいにおいて間抜けだ。ただしかし、だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの、笑いもなにもない、どんづまりの世界になってしまう。』

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冬になると、自分の家の方では星がよく見えます。
と言っても、オリオン座くらいしか分かりませんが。笑

冬に星が見えやすいのは、湿度が低いからだそうですね。湿度の低下で大気中の光の屈折量が下がって、夜空が暗くなって星の明かりが際立つそうです。
外が寒くて夜自転車なんかこいでると嫌になるけど、星が綺麗だったりすると気が紛れていいです。世の中はうまくできてますね。笑

といった話は置いておいて、表題のいしいしんじさんの作品です。
ハードカバーで読んだので、作品自体はよく知っていたのですが、この前文庫版で出ているのを見てついつい買ってしまいました。
完全にファンです、はい。笑


話は、プラネタリウムの座席の下に捨てられた双子の話です。
彗星の名前にちなんで、名付けられたテンペルとタットルは、工場の煙突と光によって白いもやに包まれている村のプラネタリウムで育ちます。

村の人々に囲まれながら、一人はプラネタリウムの解説員に、一人は村を出ることになり手品師になります。どちらも人を 『騙して』 楽しませる生業です。

『真実』について書かれているように思えるこの作品。

この世にあるエンターテイメントは言ってしまえば、人を楽しませるためだけにある、ほとんどが『嘘』です。手品もプラネタリウムも映画も小説も、フィクションは全て作り物です。
しかし、手品は人を騙すことではなく、楽しませることを目的としています。

それはそうだ、と普通は思いますが、その違いはやはり存在していて、ふとした時に顔を出します。楽しんでショーを見ていても 『でもこれは作り物だしな』 と思ってしまう瞬間が確かにあります。

でも、星空はこの世の真実だから正しくて、プラネタリウムはただの作り物だから間違っている、とはなりません。

何を本質と置くかが問題ですが、その二つにも共通点があります。
それは、人が見て楽しめるということ。

中々言葉にするのが難しいですが、
それが本物だろうが作り物だろうが、いいことがあろうが悪いことがあろうが、
それを本質的に許すことができること。
それがこの世を輝かせる約束事ということですかね。


テーマは難しくて、中々表現することができませんが、
本の中で夜空でプラネタリウムで星が輝いて、それを愛する人が存在していて、そして悪がない。そんな世界を見るのはとても心地良かったです。

いしいさんの本には言葉に嘘がないから心をオープンにして読むことができますね。
暖かい一冊です。


あと今気付きましたが、文庫とハードカバーで表紙のデザインが違うんですね。笑
ハードカバーの絵の方が好きかな。笑

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